墓標(読み)ボヒョウ

デジタル大辞泉 「墓標」の意味・読み・例文・類語

ぼ‐ひょう〔‐ヘウ〕【墓標/墓表】

墓石の裏などに、死者俗名没年、墓を建立した人などを記した文。
埋葬箇所に建てる目印の石や木の柱。はかじるし。
[類語]石碑墓石墓碑

はか‐じるし【墓標】

ぼひょう(墓標)」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「墓標」の意味・読み・例文・類語

ぼ‐ひょう‥ヘウ【墓標・墓表】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 墓石の裏面などに死者の俗名、履歴、没年月日、また墓の建立年月日や建立者名などを刻み記した文。
    1. [初出の実例]「已に墓表を書き已に行状を書ても、其人の一善にても記す可こと遺れば、甚恐て跡より書添」(出典:箚録(1706))
  3. 埋葬した箇所の目印に建てる石や木の柱。はかじるし。
    1. [初出の実例]「卒塔婆は、もと亡者の追福の為に建つるものにして、墓表の義にはあらざりけれど」(出典:随筆・墳墓考(1836頃か))

はか‐じるし【墓標】

  1. 〘 名詞 〙 墓のしるしとして立てたもの。墓の上に立てた木や石。卒塔婆(そとば)五輪の塔など。ぼひょう。
    1. [初出の実例]「彼墓(ハカ)じるしを他所へ移し候はん程は」(出典太平記(14C後)二六)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「墓標」の意味・わかりやすい解説

墓標
ぼひょう

広義には、死者を埋葬または火葬骨を埋納した場所に目印とし立てるものいっさいを含むが、狭義には、埋葬時か直後に死者の姓名戒名、死亡年月日などを記して立てる木碑(ぼくひ)をいう。

[井之口章次]

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普及版 字通 「墓標」の読み・字形・画数・意味

【墓標】ぼひよう

墓表

字通「墓」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の墓標の言及

【卒塔婆】より

…死者の供養塔や墓標として作られ,頭部に五輪形を刻み,梵字などを記した板木。卒都婆,率都婆などとも書く。…

【墓碑・墓標】より

…墓碑は死者の名や没年,生前の事績などを記してに立てるもので,石製のほか木製や陶製のものもある。これに対して墓標は,墓地において死者の埋葬場所を標示するものをさし,自然石や加工した石のもの,木製などが多い。しかし墓碑も墓標もともに墓碑と呼んだり,墓石(はかいし∥ぼせき)という場合もあり,石塔を用いたものは墓塔とも呼ぶ。…

※「墓標」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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