大伴坂上大嬢(読み)おおとものさかのうえのおおいらつめ

改訂新版 世界大百科事典 「大伴坂上大嬢」の意味・わかりやすい解説

大伴坂上大嬢 (おおとものさかのうえのおおいらつめ)

奈良時代歌人生没年不詳。宿奈麻呂(すくなまろ)の女,母は坂上郎女家持従妹で,のち妻となる。佐保坂上の里に住んだのでこの名がある。750年(天平勝宝2)ころには家持の任地越中に住んだ。作品はすべて家持との贈答歌で,《万葉集末期の小主観的傾向にとどまるものが多い。〈つき草の移ろひやすく思へかもわが思(も)ふ人の言(こと)も告げ来ぬ〉(《万葉集》巻四)。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大伴坂上大嬢」の解説

大伴坂上大嬢 おおともの-さかのうえのおおいらつめ

?-? 奈良時代の歌人。
大伴宿奈麻呂(すくなまろ)・大伴坂上郎女(さかのうえのいらつめ)の娘。いとこ大伴家持(やかもち)の妻となり,天平(てんぴょう)18-天平勝宝(しょうほう)3年(746-751)の夫の越中守(かみ)在任中に任地におもむいている。「万葉集」に短歌11首があり,すべて家持との贈答歌である。
格言など】逢はむ夜は何時(いつ)もあらむを何すとかかの夕(よひ)あひて言(こと)の繁きも(「万葉集」)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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