朝日日本歴史人物事典 「大坪慶秀」の解説
大坪慶秀
生年:正中1(1324)
室町時代の馬術家。大坪流馬術の開祖。上総国(千葉県)生まれ。孫三郎,のち入道して道禅と称す。常陸国(茨城県)に赴き鹿島大神に祈った際,その霊夢によって製作した鞍を夢想鞍と名付けたとされる。はじめ小笠原流の小笠原政長に学び,やがて独自の鞍鐙(くらとあぶみ)の製法を編み出し,大坪流を創始した。その後,政長の推挙もあり,室町幕府将軍足利義満の馬術師範となった。その功績は総合武術であった小笠原流から馬術を独立させ,実子村上永幸をはじめ多くの馬術専門家を養成したことであろう。<参考文献>日夏繁高『本朝武芸小伝』(新編武術叢書),石岡久夫『日本の古武術』
(藤堂良明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報