大将棋(読み)だいしょうぎ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大将棋」の意味・わかりやすい解説

大将棋
だいしょうぎ

平安時代に遊ばれた古将棋の1つ。駒数 68枚で,奔車,飛龍,猛虎,横行,鉄将,銅将,注人など珍しい駒が多い。 14世紀なかばまで存在したという記録はあるが,隆盛期は康治1 (1142) ~元久1 (1204) 年頃と推定される。現在ではほとんど指す人はいない。この平安時代の大将棋のほかに元禄9 (1696) 年に刊行された『諸象戯図式』によると,中将棋 (駒数 92枚) より一回り多い駒数 130枚が大将棋として記録されているが,実際に使われたかどうかは定かでない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大将棋の言及

【将棋】より

…藤原明衡(あきひら)の《新猿楽記》(11世紀中ころ成立)にも将棋の語がある。12世紀初めころの編纂とされる歴史・習俗事典《二中歴》には〈将棋〉と〈大将棋〉が説明されている。これらは日本将棋の原型で〈将棋〉は9×9の升目の盤で現在の将棋から飛車と角行を除いたもの(図3),〈大将棋〉は13×13の升目の盤であり,双方の駒数合計は68枚13種類で,現在の将棋にない注人,奔車,飛竜,猛虎,横行,鉄将,銅将の駒がある(図4)。…

※「大将棋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android