日本大百科全書(ニッポニカ) 「大島(福岡県の旧村名)」の意味・わかりやすい解説
大島(福岡県の旧村名)
おおしま
福岡県北部、宗像郡(むなかたぐん)にあった旧村名(大島村(むら))。現在は宗像市。2005年(平成17)宗像市に編入し、宗像郡は消滅。旧大島村は玄界灘(げんかいなだ)東端の大島と、その北西約47キロメートルの海上に浮かぶ沖島(おきのしま)(沖ノ島)からなる。大島は宗像市神湊(こうのみなと)と定期船で結ばれ、古くから海上交通の要衝として開けている。中型巻網、底刺網を中心とする沿岸漁業が行われるほか、農業は米をはじめナツミカン、野菜などを産し、牧場では黒毛和牛が飼育されている。景勝地や好釣り場、海水浴場があり、釣り客や行楽客が増加している。大島には国指定史跡である宗像大社の中津宮(なかつみや)、沖島には沖津宮(おきつみや)があり、海運業者の信仰を集めている。沖島の原始林は国の天然記念物。
[石黒正紀]
2017年、この地域にある宗像大社の中津宮や沖津宮(沖島)などは「『神宿る島』―宗像・沖ノ島と関連遺産群」の構成資産(全8件)の一部として、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産の文化遺産に登録された(世界文化遺産)。
[編集部 2017年7月19日]
『『大島村史』(1985・大島村)』