大島私考(読み)おおしましこう

日本歴史地名大系 「大島私考」の解説

大島私考
おおしましこう

一冊 本田孫九郎親孚著

写本 鹿児島県立図書館・田畑善蔵家・流通経済大学祭魚洞文庫

解説 文化二年から同四年まで大島代官を勤めた著者が、大島について記した手記。大島来由・嶋名・間切・村数・嶋廻里数・黍検者・人躰・牛馬数・船数・検地・黍作手入・新黍植付・黒砂糖製法・甘藷芭蕉煙草その他合せて三七項目にわたって詳述している。本田は安永天明にわたる鹿児島藩の第一次専売制度に批判的で、煙草の項で惣買入とは島民商売・交易を禁じて租税の余りを年貢とするものとし、人民の利を貪るに似たりと述べている(祭魚洞文庫本)。祭魚洞文庫本には明治八年に加筆した旨の記述がある。同文庫本は方ごとに村名があげられており、各村の享保内検高が知られ貴重である。

活字本 奄美史料二(鹿児島県立図書館本)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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