大工頭(読み)ダイクガシラ

デジタル大辞泉 「大工頭」の意味・読み・例文・類語

だいく‐がしら【大工頭】

大工たちを統率して建築作業に携わる人。棟梁とうりょう
江戸幕府職名作事奉行さくじぶぎょうに属して配下の大工を統率した。

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精選版 日本国語大辞典 「大工頭」の意味・読み・例文・類語

だいく‐がしら【大工頭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 大工を統率して建築の仕事に従事する人。棟梁(とうりょう)
  3. 江戸幕府の職名。作事奉行に属して配下の大工を統率。江戸の大工頭は定員二人(のち三人)、世祿八十石、役料二十人扶持。京都の大工頭は中井家の世襲職で、世祿五百石、役料は四十人扶持であった。〔万天日録(1689)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大工頭」の意味・わかりやすい解説

大工頭
だいくがしら

江戸時代,領内の大工職を統轄した幕府の役職武士またはその身分をもち,作事奉行の支配に属した。江戸住いの大工頭 (役高 200俵,20人扶持) 2人が関八州 (相模武蔵安房上総下総常陸,上野,下野) ,駿河三河遠江の大工を,また京住いの大工頭 (役高 500石,48人扶持) 1人が五畿内,近江の大工を管轄した。諸藩でも同様の職があった。

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世界大百科事典(旧版)内の大工頭の言及

【大工】より

… 江戸時代における幕府の建設工事は,作事方を中心とする役所が担当した。作事奉行の下に位する大工頭が工事全体を統轄し(被官,勘定役,定普請同心,諸棟梁などを支配し,工事の検査,出費のチェックなどを行う),その下の大棟梁が設計面の管理や諸職人の手配などを受けもった。幕府の大工頭は江戸前期には鈴木,木原,中井(中井正清),片山の4家,大棟梁には甲良(こうら)(甲良宗広),平内(へいのうち)(平内政信),鶴,辻内の4家があり,いずれも家職として代々世襲された。…

【中井正清】より

…大工として活動しただけでなく家康の戦闘や政治にも関与し,大坂冬の陣のきっかけとなった方広寺大仏殿梵鐘銘事件の際,鐘銘と棟札(むなふだ)の写しを家康へ送ったのは正清である。正清が確立した幕府大工頭としての地位は,その後中井家が代々受け継ぎ,元禄期(1688‐1704)に中井役所が組織され,幕末に至る。大工【西 和夫】。…

【山村与助】より

…江戸時代の大坂の大工頭。3代正直(助右衛門)のほかは,初代正寛以下11代正凝まで,すべて与助を通称とした。…

※「大工頭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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