大本営発表(読み)ダイホンエイハッピョウ

デジタル大辞泉 「大本営発表」の意味・読み・例文・類語

だいほんえい‐はっぴょう〔‐ハツペウ〕【大本営発表】

太平洋戦争中、大本営国民に向けて発表した、戦況に関する情報末期には、戦況が悪化しているのにもかかわらず、優勢であるかのような虚偽の発表をくり返した。
転じて、政府有力者などが発表する、自分都合がよいばかりで信用できない情報。

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共同通信ニュース用語解説 「大本営発表」の解説

大本営発表

大本営は、太平洋戦争の敗戦まで日本軍の戦争を指導した天皇直属の最高機関。戦況を伝えた「大本営発表」は国民の戦意高揚を図ろうと、戦果を誇張する一方で損害を矮小わいしょう化し、国から出る信頼性の乏しい情報の代名詞となった。太平洋戦争で日本が劣勢となる転換点だった1942年6月の「ミッドウェー海戦」では、空母4隻を失ったのに「1隻喪失、1隻大破」とごまかした。44年10月の「台湾沖航空戦」では、米軍の空母19隻を含む艦艇を撃沈するなどとしたが、実際には米軍部隊の損害は軽微だった。陸軍は、発表内容を前提にフィリピン・レイテ島での戦いに臨み、敗北した。

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世界大百科事典(旧版)内の大本営発表の言及

【大本営】より

…このように戦争指導は広範な社会的,政治的勢力および機関に立脚して行われず,ほとんど統帥部のみによって行われた。他方,日中戦争,太平洋戦争のごとき長期持久,かつ国民の総動員を必要とする状況にあって,戦争を継続するために,国民に対しては不利な情報を隠蔽(いんぺい)するのみならず,情報を意図的に作りかえて戦意高揚をはかり,戦後には欺瞞(ぎまん)とでたらめの代名詞となった〈大本営発表〉がある。大本営は45年9月13日GHQの指令によって廃止,大本営令は10月15日に廃止となった。…

※「大本営発表」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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