大村彦太郎(初代)(読み)おおむら・ひこたろう

朝日日本歴史人物事典 「大村彦太郎(初代)」の解説

大村彦太郎(初代)

没年元禄2.1.20(1689.2.9)
生年:寛永13(1636)
江戸前期の商人。幼名は彦四郎。号は可全。屋号は白木屋。近江国(滋賀県)長浜村生まれ。幼くして父母を失い,母方の長浜の材木商河崎家で育った。慶安4,5(1651,52)年ごろ,河崎家の援助で京都に材木店を出店,さらに寛文2(1662)年に江戸の通町に小間物店を設け,本格的に江戸での商売を始めた。以後,呉服の取り扱いを拡大し,元禄10(1697)年には本町通の大呉服店17軒の一角に挙げられるに至っている。初代彦太郎によって地歩の固められた白木屋は,江戸の代表的な呉服問屋として,戦後,東急百貨店日本橋店となるまで続いた。<参考文献>『白木屋三百年史』,林玲子『江戸問屋仲間の研究

(谷本雅之)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大村彦太郎(初代)」の解説

大村彦太郎(初代) おおむら-ひこたろう

1636-1689 江戸時代前期の商人,俳人
寛永13年生まれ。慶安5年京都に材木店白木屋を開業。その後,呉服,木綿などの販売で富をえた。寛文2年江戸日本橋にひらいた店が,明治以降白木屋百貨店へと発展した。北村季吟俳諧(はいかい)をまなぶ。元禄(げんろく)2年1月20日死去。54歳。近江(おうみ)(滋賀県)出身。名は可全。号は道慈

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