大窪横穴群(読み)おおくぼよこあなぐん

日本歴史地名大系 「大窪横穴群」の解説

大窪横穴群
おおくぼよこあなぐん

[現在地名]鹿島町江垂 大窪

阿武隈高地東縁から東方に発達した低位丘陵のうちの八崎山やつざきやま丘陵南斜面に立地し、丘陵の北側を真野まの川が東流する。七世紀に盛んに営まれた横穴墓で、四八基が確認されているが、その数は増えると考えられる。昭和三七年(一九六二)国道六号の改修工事に伴って調査が行われた。調査対象となったのは横穴群の東端部分で、当時から開口していた横穴墓一〇基が調査されており、これらは上下二段に構築されていた。注目されるのは八号横穴墓で、今回の調査以前に雲珠・杏葉・須恵器出土。今回の調査でも玄室左奥壁隅から鉄地金銅張の雲珠一点や鉄鏃提瓶など豊富な副葬品が出土、雲珠の出土した奥壁左隅では鉄釘も確認されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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