日本大百科全書(ニッポニカ) 「大谷本廟(西本願寺)」の意味・わかりやすい解説
大谷本廟(西本願寺)
おおたにほんびょう
京都市東山区五条橋東にある浄土真宗本願寺派(西本願寺)の祖廟。宗祖親鸞(しんらん)の遺骨を祀(まつ)る。龍谷山(りゅうこくざん)と称し、俗に西大谷とよばれる。もともと鳥辺野(とりべの)の北、大谷の地にあった親鸞の墓所に建てられた廟所が本願寺で、1478年(文明10)本願寺が蓮如(れんにょ)によって山科(やましな)に再興されるまでは、寺は長い間さびれてはいたけれども、いわば浄土真宗の本山であった。その故地は現在の知恩院(ちおんいん)の境内である。現在地には1603年(慶長8)に移し変えられ、旧名を継いで大谷の名を用いた。仏殿その他の建造物は1867年(慶応3)に火災によって焼失したので、1870年(明治3)以降に再建されたものである。現在、門信徒のための近代的な納骨堂(無量寿(むりょうじゅ)堂)その他も建立されている。
[森 章司]