大道(読み)ダイドウ

デジタル大辞泉 「大道」の意味・読み・例文・類語

だい‐どう〔‐ダウ〕【大道】

幅の広い道。大通り。また、その路上・道ばた。「大道で物を売る」
人の行うべき正しい道。根本道徳。「まつりごと大道を誤る」
[類語](1大通り表通り広小路大路街路並木道ストリートアベニューブールバール/(2道義正義人道人倫仁義

おお‐みち〔おほ‐〕【大道】

広い道。大通り。だいどう。⇔小道
36町(約3924メートル)を1里とする里程。⇔小道
長い道のり。
「今日は―であった、二人共に草臥くたびれやったで、しんどかろ」〈伎・幼稚子敵討

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精選版 日本国語大辞典 「大道」の意味・読み・例文・類語

だい‐どう‥ダウ【大道】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 幅の広いみち。大路。大通り。また、道路。みち。
    1. [初出の実例]「大道に赤犬ども多く走り散りて」(出典:東大国文研究室本十訓抄(1252)四)
    2. 「吾等は、小川を過ぎて、広き大道に出で」(出典:尋常小学読本(1887)〈文部省〉六)
    3. [その他の文献]〔列子‐説符〕
  3. 人のふみ行なうべき、正しい道。根本の道理。特に、老荘思想でいう無為自然の道。
    1. [初出の実例]「淳風洽乎無垠、大道光乎有截」(出典経国集(827)二〇・道守宮継対策文)
    2. 「古人は民衆を愚にすることを治国の大道に数へてゐた」(出典:侏儒の言葉(1923‐27)〈芥川龍之介〉民衆)
    3. [その他の文献]〔礼記‐学記〕
  4. 仏語。すぐれた教え。仏教。仏道。また、小乗に対し、大乗の教えをいう。
    1. [初出の実例]「昔来蒙仏教不失於大乗者。言従昔有仏教化之力故。今亦得此大道也」(出典:法華義疏(7C前)二)

おお‐みちおほ‥【大道・大路】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 幅の広い道。おおじ。大通り。だいどう。〔十巻本和名抄(934頃)〕
  3. 長い道のり。
    1. [初出の実例]「扨(さて)歩いたは、今日は大道そちも草臥(くたびれ)」(出典:浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)三)
  4. ( 六町を一里とする小道に対して ) 三六町(所によっては六〇町)を一里としてはかる道のり。
    1. [初出の実例]「六十町を大道(オホミチ)一里と云」(出典:随筆・東遊記後編(1797)二)

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日本歴史地名大系 「大道」の解説

大道
だいどう

堺の市街を南北方向に貫く道路。紀州街道の一部の称。康永二年(一三四三)道阿弥畠地売渡状(開口神社文書)の四至に「熊野大道」の名がみえ、また文明一四年(一四八二)の備中屋右衛門五郎家屋敷売渡状(間中文書)にも四至に大道の名があげられている。明応二年(一四九三)の河内合戦における幕府軍と畠山基家軍双方の陣所と行軍状況を描いた御陣図(福智院家文書)に「和泉堺南庄」と「堺北庄」を貫く道が示されており、名称の記載はないが大道に比定することができよう。

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普及版 字通 「大道」の読み・字形・画数・意味

【大道】たいどう(だう)・だいどう(だう)

人類のふむべき道。〔老子、十八〕大廢(すた)れて仁義り。智出でて大僞り。六親和せずして孝り。國家昏亂して忠臣り。

字通「大」の項目を見る

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大道」の解説

大道 だいどう

1768-1840 江戸時代後期の武士,僧。
明和5年生まれ。越前(えちぜん)福井藩士。金津奉行をつとめたが,罪をうけて出家。真宗大谷派。越前三里浜の植林による防砂,鮎川-福井間の道路の整備などにつくした。天保(てんぽう)11年死去。73歳。俗名は香西太郎右衛門。

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世界大百科事典(旧版)内の大道の言及

【異年号】より

…ところが当時の年号には,年号に攘災招福の呪力があるとのたてまえから,ほかならぬ攘災招福のために制定されたものがはなはだ多いことを考えると,これらの異年号は,国家公定の年号のもつたてまえ上の呪力を否定することで,国家の年号に対する根源的批判を表明したわけで,ここに異年号のもつもう一つの性格をうかがうことができる。 織豊政権を経て江戸幕府が成立し,国家統一が完成すると,慶長末年から元和にかけて(1613‐23)キリシタン禁制がにわかに厳しさを加えるさなかに,一部キリシタン信徒の間に大道の年号が用いられたらしいが,これを唯一の例外として,異年号はまったく姿を消したようである。そして1868年(明治1)の戊辰戦争中,東北諸藩の反政府連盟軍の間で行われたらしい延寿が前近代最後の異年号となった。…

※「大道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」