大鳶山・小鳶山(読み)おおとんびやま・ことんびやま

日本歴史地名大系 「大鳶山・小鳶山」の解説

大鳶山・小鳶山
おおとんびやま・ことんびやま

立山山塊から西側、立山温泉の南東へ派出した支稜上に突起した山であったが、安政五年(一八五八)二月二六日越中・飛騨を襲った大地震の折、全山崩壊し、その土砂湯川ゆかわ谷を埋め、これを塞ぎ止めた。三月一〇日・四月二六日の二回にわたって決壊鉄砲水土石流となって富山平野に大災害をもたらした。これを大鳶崩れと称した。今も富山市流杉ながれすぎ西番にしのばん、立山町大森おおもりなどには当時流出した大岩石が残り、土石流の猛威をしのばせている。常願寺川が日本一の暴れ川となったのはこの大鳶崩れからといわれ、その治山治水のため国直轄の砂防工事が現在も継続している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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