天明鋳物(読み)てんみょういもの

事典 日本の地域ブランド・名産品 「天明鋳物」の解説

天明鋳物[金工]
てんみょういもの

関東地方、栃木県の地域ブランド。
佐野市製作されている。江戸時代に佐野周辺が天明と呼ばれたことからこの名がある。佐野における鋳物の歴史は古く、939(天慶2)年に下野国豪族であった藤原秀郷が、河内国(現・大阪府)から5人の鋳物師を連れてきて、武器などをつくらせたのが始まりとされる。梵鐘茶釜花瓶火鉢などの美術工芸品から風呂釜・鍋などの日用品まで幅広く製作。男性的な荒々しさと重厚さが特徴。栃木県伝統工芸品。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

デジタル大辞泉プラス 「天明鋳物」の解説

天明鋳物

栃木県佐野市で生産される伝統的工芸品。製造起源平安時代に遡るとされる。素朴で力強い造形を特徴とする鋳物で、湯釜仏像、日用品など、さまざまな製品がある。天明は佐野市付近の古い地名。「天命鋳物」の表記もある。

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世界大百科事典(旧版)内の天明鋳物の言及

【天明】より

…天命とも書いた。特産物の天明鋳物は古くから知られ,〈東山時代,関東の天明釜をもって良とす〉(《和漢三才図会》)と,西の芦屋釜に対して高い評価をうけている。天明鋳物では湯釜,梵鐘,鰐口が名高く,現存最古の天明鋳物は元亨元年(1321)銘の梵鐘(安房日本寺)である。…

※「天明鋳物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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