太師(読み)タイシ

デジタル大辞泉 「太師」の意味・読み・例文・類語

たい‐し【太師/大師】

中国代の三公の一。天子の師となり補佐する官。
太政大臣だいじょうだいじん唐名

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精選版 日本国語大辞典 「太師」の意味・読み・例文・類語

たい‐し【太師・大師】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 古代中国、周代の三公の一つ。以後の歴代存廃は一定でないが、常に最高の官として天子の師となり補佐となる官名。〔書経‐周官〕
  3. 太政大臣(だいじょうだいじん)の唐名。〔伊呂波字類抄鎌倉)〕
  4. 奈良時代、藤原仲麻呂政権の頃、太政大臣の名称を一時的に唐風に改めた呼び名。
    1. [初出の実例]「是日〈略〉奉勅改易官号。〈略〉太政大臣曰大師。左大臣曰大傅。右大臣曰大保。大納言曰御史大夫」(出典:続日本紀‐天平宝字二年(758)八月甲子)
  5. 平安時代以降、五節の舞姫に舞を教える女性。
    1. [初出の実例]「常寧殿〈略〉北廂塗籠内為大師宿所」(出典:江家次第(1111頃)一〇)

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世界大百科事典(旧版)内の太師の言及

【藤原仲麻呂】より

…同年紫微内相(ないしよう)となって軍事権も手中にした仲麻呂は,諸兄の長子橘奈良麻呂や,大伴,佐伯,多治比ら反仲麻呂勢力の反乱を未然に鎮圧し(橘奈良麻呂の変),独裁政権を確立した。ついで758年大炊王が即位し淳仁天皇となると太保(右大臣)となり,恵美押勝の姓名,功封3000戸,功田100町を賜り,鋳銭,出挙(すいこ)の自由な権限を手中にし,また,恵美家印を太政官印にかえて用いることも許され,760年にはついに太師(太政大臣)となった。 しかし同年光明皇太后が没すると,しだいに政権にかげりがあらわれはじめた。…

※「太師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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