夷守駅(読み)ひなもりのえき

日本歴史地名大系 「夷守駅」の解説

夷守駅
ひなもりのえき

延喜式」兵部省諸国駅伝馬条にみえる西海道大宰府路(山陽道と大宰府を結ぶ大路)の駅で、駅馬一五疋を配備する。比定地は不詳であるが、現阿恵あえには駅名の遺称とみられる日守ひまもり地名が残る。大路である山陽道の諸駅は蕃客に備えて「瓦葺粉壁」(「日本後紀」大同元年五月一四日条)駅舎であったが、それに続く大宰府路の駅も瓦葺建物であったと考えられる。「日守」の近くに所在し、老司式・鴻臚館系の古瓦を出土するものの、寺院跡としての確証がない内橋うちはし遺跡が夷守駅である可能性が考えられる。

夷守駅
ひなもりのえき

「延喜式」兵部省諸国駅伝馬条にみえ、日向国府から肥後国に抜ける官道西海道に設置された駅。駅馬五疋が置かれていた。所在地を「日本地理志料」「大日本地名辞書」「日向国史」は現小林市に比定する。同市細野ほそのに夷守の小字があることから、同地に比定する説もある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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