奉勅命令(読み)ほうちょくめいれい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「奉勅命令」の意味・わかりやすい解説

奉勅命令
ほうちょくめいれい

大日本帝国憲法下の天皇統帥大権に基づいて発せられた勅裁命令のこと。一種軍令であるが,最高統帥者としての天皇の直接的意志 (勅) を,参謀総長 (陸軍) もしくは軍令部長 (海軍) が奉じ,その直属指揮官に伝える最重要命令であるという点に,特別の意味をこめて使われた。関東軍総司令官や連合艦隊司令長官への作戦命令,二・二六事件の戒厳司令官に発せられた反乱軍討伐命令などがこれにあたる。

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百科事典マイペディア 「奉勅命令」の意味・わかりやすい解説

奉勅命令【ほうちょくめいれい】

陸海軍の最高統帥(とうすい)者としての天皇の命令。参謀総長もしくは軍令部総長が,〈奉勅伝宣〉する形式をとったのでこう呼ばれた。関東軍総司令官,南方軍総司令官,連合艦隊司令長官など直属指揮官に対する作戦命令がこれに当たる。

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