奏事不実(読み)そうじふじつ

精選版 日本国語大辞典 「奏事不実」の意味・読み・例文・類語

そうじ‐ふじつ【奏事不実】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 事実と異なることを天皇に奏上すること。讒言(ざんげん)すること。
    1. [初出の実例]「本院のおとどの奏事不実に依て、俄に太宰権帥にうつされ給ひしかば」(出典:十訓抄(1252)六)
  3. 平安時代以来、公家法(くげほう)本所法で、訴訟に際し、事実と異なる主張をすること。
    1. [初出の実例]「奏事不実事 詐偽律云。奏事上書詐不実者。徒二年」(出典:法曹至要抄(1210頃)上)
  4. 鎌倉・室町幕府の法で、訴訟に際し、事実と異なる主張をすること。敗訴のときは敗訴罰として「奏事不実の咎」をうける。
    1. [初出の実例]「件訴状云〈略〉欲奏事不実之咎」(出典:小鹿島文書‐下・永仁五年(1297)六月日橘薩摩八郎公季陳状)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android