精選版 日本国語大辞典 「奥原晴湖」の意味・読み・例文・類語
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(安村敏信)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
明治の女流南画家。本名は節子。下総(しもうさ)古河(こが)藩(茨城県)家老職池田氏に生まれる。初め同藩の枚田(ひらた)水石に学び、のち明清(みんしん)諸家を研究し、とくに鄭板橋(ていはんきょう)と費晴湖(ひせいこ)に私淑した。1865年(慶応1)奥原氏の養女となり、江戸に出て下谷(したや)摩利支天(まりしてん)に住し、勤皇の志士や諸名流と交わりながら画名を高める。一時は門人300人を数えるほどに流行したが、南画衰退の時流に伴って91年(明治24)中央画壇を去り、熊谷(くまがや)在川上(埼玉県)に隠棲(いんせい)した。粗放な筆致による墨画山水は明治の南画の特色をよく表している。当時としては異例の断髪にするなど、風采(ふうさい)および性格ともに男性的で、逸話の多い女性であった。
[星野 鈴]
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