女郷(読み)うねめごう

日本歴史地名大系 「女郷」の解説

女郷
うねめごう

和名抄」高山寺本は「宇祢米」、東急本は「宇祢倍」、刊本は「宇禰倍」の訓を付す。「古事記」雄略天皇段に「伊勢国の三重の」がみえ、槻の落葉の浮いた杯を献じて天皇の逆鱗に触れ歌三首を奉って罪を許されたとある。天平一九年(七四七)大安寺伽藍縁起并流記資財帳(奈良市正暦寺蔵)には「同郡采女郷十四町 開二町五段 未開田代十二町五段」とあり、四至を「東公田 南岡山 西百姓宅 北三重之河限」とする大安だいあん寺領があった。

女郷
うねめごう

「和名抄」刊本は「菜女」と記す。高山寺本とともに訓はない。「三河国古蹟考」では「今称八橋旁近諸村、曰采女郷」として、「日本地理志料」ではこれに基づき、知立ちりゆう市の八橋やつはしより東北、豊田市西南部をその範囲とする。一方「大日本地名辞書」は采女と畝部うねべが音通として明治期の畝部村、すなわち現豊田市東南部の上郷かみごう地区に比定する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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