妙成就院跡(読み)みようじようじゆいんあと

日本歴史地名大系 「妙成就院跡」の解説

妙成就院跡
みようじようじゆいんあと

[現在地名]珠洲市三崎町寺家

方上かたかみ高座たかくら(現須須神社)のうちに所在した寺院。承安五年(一一七五)二月二八日の能登国司庁宣(須須神社文書)によれば、「妙成就院」は僧運慶が建立し、自らは院主となり、御勢を募らんがため「御祈願所」として後白河法皇またはその周辺に寄進したものと推定できる。これにより当院に方上保内の荒田一町が仏聖料として与えられた。しかし文治二年(一一八六)八月、院主運慶は衆僧とともに、保司某による経講田押領を国衙に訴えている(「高勝寺結衆等解状案」同文書)。鎌倉初期に立券されたと思われる八条院領形上庄は(嘉元四年六月一二日「昭慶門院領目録案」竹内文平氏旧蔵文書)、方上保内に散在した皇室の「御祈願所」妙成就院の免田を中心にして構立されたものであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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