姉体河岸(読み)あねたいかし

日本歴史地名大系 「姉体河岸」の解説

姉体河岸
あねたいかし

[現在地名]水沢市姉体町

北上川の河湊で、上姉体村の上姉体河岸、それより下流に位置する下姉体村の下姉体河岸を総称していう。上姉体河岸は沖積層低地にあるため、洪水の際は浸水する地域であるが、恵まれた舟溜のある船着場で繋留と運航に適し、「上姉体村安永風土記」によれば御穀一二艘・刈子舟二九艘の計四一艘があった。舟数は北上川水域では黒石くろいし村、上麻生かみあそう(現胆沢郡前沢町)とともに首位を占めている。瀬台野せだいの村に御蔵があった頃からの御蔵御用の湊で、御蔵が安土呂井あとろい村に移って瀬台野河岸が衰えた後もそれに代わる河湊として重きをなし、明治になって鉄道が開通した頃、汽車と輸送を争うほどの血気船頭がそろっていたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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