嫁ヶ島(読み)よめがしま

日本歴史地名大系 「嫁ヶ島」の解説

嫁ヶ島
よめがしま

宍道湖東端に浮ぶ小島周囲は一二〇メートル余で、湖上に浮ぶ様は美しく、古来人々によって愛でられた。「出雲国風土記」には野代のしろの海の中にある島とみえ、「周り六十歩あり。中央は涅土にして、四方は並びに礒なり中央に手掬許りの木一株あるのみ。其の礒に螺子・海松あり」と記される。嫁ヶ島という名称は寛文八年(一六六八)安来清水きよみず寺蓮斎院の賢政法師が雨乞をした時を初見とするという(乃木郷土誌)。「雲陽誌」「出雲鍬」は蚊島が嫁島と読みが同じため、いつしか「よめ」というようになったと記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「嫁ヶ島」の意味・わかりやすい解説

嫁ヶ島
よめがしま

島根県北東部、宍道(しんじ)湖唯一の小島。周囲約240メートル。松江市街の沖合い約200メートルにある。玄武岩質の岩礁で、数本の黒松が生え、残照に映える島影は宍道湖十景の一つ。姑(しゅうとめ)にいじめられた嫁が島に変身したという伝説がある。竹生島(ちくぶしま)神社には弁財天を祀(まつ)る。『出雲国風土記(いずものくにふどき)』には「蚊島(かしま)」と記される。

[野本晃史]


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