百科事典マイペディア 「嫌気性菌」の意味・わかりやすい解説
嫌気性菌【けんきせいきん】
→関連項目ガス壊疽|サルモネラ菌|赤痢菌|大腸菌|脱窒|破傷風菌|ビフィズス菌|ブドウ(葡萄)球菌|ボツリヌス菌|連鎖球菌
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発育のさい遊離酸素量が少ないところでないと発育しない細菌。好気性菌の対語。酸素を嫌う程度は菌種によって異なり,遊離酸素のほとんどないところでのみ発育できる菌を偏性嫌気性菌と呼び,酸素がかなりあっても発育できる菌を通性嫌気性菌と呼ぶ。偏性嫌気性菌は,クロストリジウム,メタン細菌,硫酸塩還元細菌,大部分の光合成細菌などである。クロストリジウムは胞子をもつ嫌気性杆菌で,破傷風菌やボツリヌス菌などのように強力な毒素を産生する菌が多い。偏性嫌気性菌のエネルギーの獲得の仕方は,発酵,光合成および硫酸塩などを還元・利用するものである。偏性嫌気性菌を培養するために,酸素を取り除いた種々の培養法が考案されている。通性嫌気性菌は,大腸菌のように,酸素の存在するときには呼吸によって,酸素の少ないときには発酵によってエネルギーを獲得するものが多い。
→細菌
執筆者:川口 啓明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…培養条件が整った場合,大腸菌など大多数の細菌の分裂の周期は20分であるが,細菌の増殖速度には,栄養分の有無のほか,酸素,温度,湿度,培地のpHや浸透圧などが関係する。 細菌は酸素に対する関係によって,酸素存在下のみで生育する(偏性)好気性菌,無酸素条件下のみで生育する(偏性)嫌気性菌,酸素の有無にかかわりなく生育できる通性嫌気性菌に分けられる。嫌気性菌は,エネルギーを発酵によって得,好気性菌は呼吸によって得ている。…
※「嫌気性菌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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