子宮後転症(子宮後傾後屈症)(読み)しきゅうこうてんしょう(しきゅうこうけいこうくつしょう)(英語表記)Retrodeviation of the uterus (Retroversioflexion)

六訂版 家庭医学大全科 の解説

子宮後転症(子宮後傾後屈症)
しきゅうこうてんしょう(しきゅうこうけいこうくつしょう)
Retrodeviation of the uterus (Retroversioflexion)
(女性の病気と妊娠・出産)

どんな病気か

 子宮は通常、前傾前屈(ぜんけいぜんくつ)の位置をとっていますが、後傾後屈の位置をとる状態を子宮後転症(子宮後傾後屈症)と呼びます(図4)。正常女性の約20%に認められるといわれています。

 とくに障害を伴わない場合は病気とはみなしません。子宮後転症はかなり以前には病的と考えられ、手術が行われていた時代もありましたが、現在では治療対象とは考えられていません。

原因は何か

 大部分は可動性であり、病気ではありません。

 骨盤内の炎症子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)などが原因で、子宮と直腸あるいは骨盤腹膜と癒着(ゆちゃく)し、非可動性の子宮後転症になっていることもあります。

 この場合には、原因疾患による症状が現れることはありますが、子宮後転症そのものによる特有な症状というものはありません。

症状の現れ方

 子宮後転症だけに特有な症状はありません。

検査と診断

 内診超音波検査により容易に診断が可能です。

治療の方法

 現在では子宮後転症そのものは異常とは考えられていないので、治療の対象にはなりません。

病気に気づいたらどうする

 子宮後転症が癒着に起因するものであれば、原因疾患が治療の対象になるかどうかを調べるため、検査を受けることが望ましいと考えられます。

関連項目

 骨盤腹膜炎子宮内膜症

竹内 亨


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android