子宮発育不全症(読み)しきゅうはついくふぜんしょう(英語表記)Hypoplastic uterus

六訂版 家庭医学大全科 「子宮発育不全症」の解説

子宮発育不全症
しきゅうはついくふぜんしょう
Hypoplastic uterus
(女性の病気と妊娠・出産)

どんな病気か

 厳密な定義はありませんが、子宮の大きさが各年齢相当の正常子宮に比較して小さい場合を子宮発育不全症と呼びます。

原因は何か

 原因としては、先天的な子宮低形成と卵巣機能不全に伴う後天的な発育不全に分かれます。

 先天的な子宮低形成としては、ミュラー管の発育不全が原因であることが多く、腟欠損(ちつけっそん)で解説したロキタンスキー・キュストナー・ハウザー症候群では、痕跡(こんせき)的な子宮しか認められません。また、先天性疾患であるターナー症候群のような染色体異常でも、子宮発育不全を認めることがありますが、これは卵巣機能不全に伴うものです。

 先天的な異常を認めない場合でも、思春期以後の卵巣機能不全により低エストロゲン(女性ホルモン)が長期間に及ぶと子宮の発育不全を来したり、いったん正常に発育した子宮が萎縮(いしゅく)することがあります。

治療の方法

 先天的な子宮低形成は、治療は不可能であり、妊娠することも困難です。後天的な子宮発育不全では不妊症習慣流産の原因となる場合があり、治療としてホルモン療法が試みられますが、奏効率はあまり高くありません。

百枝 幹雄

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android