学際科目(読み)がくさいかもく

大学事典 「学際科目」の解説

学際科目
がくさいかもく

学際とは,特定の現実的な課題に取り組むために,複数の異なる学問専門分野(ディシプリン)が参画するアプローチである。学際科目という場合には,現実の場にある特定の探究課題を前提とし,複数の学問ディシプリン対話という経験がその核心となり,PBL(Problem-basedないしProject-basedな学習)などの学習方法が多用されることになる。学習者には,複数の学問専門分野の視座を交錯させながら,アクティブ・ラーニングを深めていくことが求められる。ただし大学の,とくにディシプリンを原則として編成される学位プログラムが前提となっている場合には,その位置づけは必ずしも容易ではない。複数学問分野が関わるため,複数の教員によるチーム・ティーチングなど新しい教授・学修方法やその編成が期待されるからである。また,一般教育科目の中で,専門科目やディシプリン科目以外のキャリア教育を含むさまざまな科目を,大学独自の判断で学際科目群等として位置づける場合など,共通の理解が形成されにくい用法も見られる。単にディシプリンを組み合わせるだけでなく,その目的とする現実的な探究課題に向けてディシプリンを組み合わせるというようなコンセプト共有確立が課題となっている。
著者: 吉本圭一

参考文献: アレン・F. レプコ著,光藤宏行ほか訳『学際研究プロセス理論』九州大学出版会,2013.

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android