安田 善次郎(1代目)(読み)ヤスダ ゼンジロウ

20世紀日本人名事典 「安田 善次郎(1代目)」の解説

安田 善次郎(1代目)
ヤスダ ゼンジロウ

江戸時代末期〜大正期の実業家 安田財閥創始者;安田銀行創立者。



生年
天保9年10月9日(1838年)

没年
大正10(1921)年9月28日

出生地
越中国富山(富山県富山市)

別名
幼名=岩次郎

経歴
20歳で江戸に出、丁稚奉公の末、元治元(1864)年両替商安田屋を日本橋人形町に開くのに成功。慶応2年安田商店と改称。維新直後、太政官札(不換紙幣)の買占めで巨利を博し、明治13年には安田銀行(現・富士銀行)を設立。15年新設の日本銀行理事に就任。日本銀行を背景に両銀行の経営を発展させた。ついで地方国立銀行の合併につとめ、全国的な系列銀行網を持つようになった。さらに26年帝国海上保険(のちの安田火災保険)を設立、27年には共済生命保険(のち安田生命保険)を設立して保険業でも最大の先駆者となり、一代で安田財閥を築きあげた。晩年日比谷公会堂、東大安田講堂をはじめ、公共事業に多くの寄付をしたが、大正10年大磯の別荘で国粋主義者朝日平吾に刺殺された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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