安西井宮村(読み)あんざいいのみやむら

日本歴史地名大系 「安西井宮村」の解説

安西井宮村
あんざいいのみやむら

[現在地名]静岡市井宮町いのみやちようなど

賤機しずはた山南端の駿府浅間社(静岡浅間神社)西側山麓沿いに位置し、南は駿府城下片羽かたは町・材木ざいもく町に接する。昔はこの辺りが安倍川の川瀬で、川を堰入れて安倍・有渡うど両郡の用水にする水分の地とされ、井宮神社があることなどが地名の由来という(「駿河志料」など)。貞治二年(一三六三)六月六日の前駿河守護今川範国書下写(諸家文書纂)によると、宝樹ほうじゆ(現新善光寺)に「井宮」と「井宮神地 斗代八石」などが安堵されており、文安元年(一四四四)三月二七日に駿河守護今川範忠が同書下の案文の裏を封じて再び安堵した。永正六年(一五〇九)九月六日、今川氏親がこれらの宝樹院領を安堵している(駿河志料)。元亀元年(一五七〇)六月二二日には武田氏が臨済りんざい寺に「井宮之増分」を含む大福だいふく(現清水市)の寺産を寄進しており(武田判物証文)、この時期に検地が行われていた可能性が強い。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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