知恵蔵2010の解説
学術用語としての宗教の定義は学者の数だけあるといわれ、統一した見解があるわけではない。事典類によると、神仏などの超自然的存在に対する信仰、教義、儀礼、組織などをもって宗教と定義している。しかし、宗教と呼ばれる現象が多様化し、しかも宗教と宗教でないものとの境界線があいまいになってきた現在、改めて定義し直す必要がある。最も包括的には「宗教とは、本来自明ではない超自然的な存在に関わる事柄を、自明なものに変換し、人々をそのように振る舞わせる社会的装置である」と定義できよう。神仏を始めとする超自然的存在は、本来自明(当たり前)ではない。しかし信者はそれを自明のものと考え、改めて疑うこともせず、また時として、その存在について問わないことを強いられる。さらに信者は日々の生活や儀礼を通して、超自然的存在が自明のものであるかのように振る舞う。このように、人々の信念や振る舞いを方向づけるものとして、人間が作った仕組みが宗教である。
(
岩井洋関西国際大学教授
)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2007」
デジタル大辞泉の解説
百科事典マイペディアの解説
一般に宗教とは,超自然的な力や存在に対する信仰と,それに伴う儀礼や制度をいう。英語religionなどの語源はラテン語religioで,〈神への崇敬・畏怖〉が原義であり,religare(強く結びつける)に由来すると考えられる。
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