宜蘭(読み)ギラン

デジタル大辞泉 「宜蘭」の意味・読み・例文・類語

ぎらん【宜蘭】

台湾北東部にある県。平野部で稲作が盛ん。2006年、台北との往来を阻んでいた雪山山脈にトンネル高速道路が開通し、開発が進む。イーラン

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百科事典マイペディア 「宜蘭」の意味・わかりやすい解説

宜蘭【ぎらん】

台湾北東部の県名,市名。宜蘭市は蘭陽平原の中央に位置し,農業,林業が盛ん。古くは先住民の平埔族の居住地で,漢民族は明代中期にはこの地に入っているが,本格的な入植開発は18世紀の末である。しかし宜蘭県全体としては急峻な山地が太平洋岸まで迫る地勢で,近年まで交通が産業発展の大きな障害となった。2006年,北宜高速道路の雪山トンネルが開通し,台北と30分で結ばれ発展が期待されている。日本の敗戦後の1947年に起きた,国民党軍による本省人弾圧事件,二・二八事件で,多数の犠牲者を出したことや,長年の開発の後れもあって,伝統的に反国民党感情の強い地域といわれる。総人口45万8456人(2013)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宜蘭」の意味・わかりやすい解説

宜蘭
ぎらん / イーラン

台湾北東部、宜蘭平原の中心にある県および市。県人口46万5186(2000)。北のキールン(基隆)、南の蘇澳(そおう/スーアオ)、花蓮(かれん/ホワリエン)を結ぶ鉄道、幹線道路の中継地で、蘇澳港はその外港である。旧称噶瑪蘭(かまらん)、古称ハアナン(哈仔難)。18世紀末に福建(ふっけん/フーチエン)省漳州(しょうしゅう/チャンチョウ)の漢族が移住して開墾、1812年清(しん)朝がここに噶瑪蘭庁を置き、1875年に宜蘭と改称した。米、サツマイモラッカセイ、果物など農産物を集散し、漁業が盛んで、木材の産地でもある。

[劉 進 慶]

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