実法(読み)ジッポウ

デジタル大辞泉 「実法」の意味・読み・例文・類語

じっ‐ぽう【実法】

(‐ポフ) 仏語。永遠不変の実体としての存在。⇔仮法けほう
(‐パフ)
㋐まじめなこと。篤実。律義。
「―の者には物仰せにくければとて」〈盛衰記一六
実際のようす。実体。
解体新書をつねに講じて、その―を人に示せしと」〈蘭学事始

じ‐ほう〔‐ハフ〕【実法】

[名・形動]《「じっほう」の促音の無表記》まじめなこと。きちんとしていること。また、そのさま。律儀。じっぽう。
「―に小さき丸髷をぞ結いける」〈一葉・うつせみ〉
「―なる人のゆるぎ所あるまじきをとて」〈真木柱

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精選版 日本国語大辞典 「実法」の意味・読み・例文・類語

じっ‐ぽう【実法】

  1. 〘 名詞 〙
  2. [ 一 ] ( :ポフ ) 仏語。因縁によって生ずるものに対して、永遠にかわらない実体的な存在をさす。⇔仮法(けほう)
    1. [初出の実例]「実我実法の盛なる睡は未だ長夜の中に寤ず」(出典:愚迷発心集(1213頃))
  3. [ 二 ] ( :パフ )
    1. ( 形動 ) まじめなこと。また、そのさま。篤実。謹厳。じほう。
      1. [初出の実例]「我も人も乱れ遊はむ時、かたくしつほうなるもわろし」(出典:六波羅殿御家訓(13C中)三四条)
    2. 実際の様子。実体。
      1. [初出の実例]「塾に於て、出入の諸生徒に解体新書を毎(つね)に講じて、其実法を人に示せし」(出典:蘭東事始(1815)下)

じ‐ほう‥ハフ【実法】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 「じぼう」とも ) まじめなこと。また、そのさま。篤実。
    1. [初出の実例]「我をのこはじほうにはあらぬ物ぞ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開下)

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