宮上村(読み)みやかみむら

日本歴史地名大系 「宮上村」の解説

宮上村
みやかみむら

[現在地名]湯河原町宮上、静岡県熱海あたみいずみ稲村いなむら

北から西にしろ山・大観たいかん山・鞍掛くらかけ山の峰が連なり、南の伊豆国境の北東山中より流出する藤木ふじき川が流れ、東に宮下みやした村と接する。「風土記稿」は、小田原衆所領役帳記載の南条右京亮「八拾壱貫九百文 西郡宮地」を当村と宮下村にあてている。正保国絵図には「土肥入谷」と載せ、元禄一三年(一七〇〇)の由来書(二見文書)に、小田原藩主稲葉氏による寛永一八年(一六四一)検地の際に鎮守五所ごしよ神社を境に宮上分と宮下分の二冊の検地帳を作成、正保三年(一六四六)に高も名主も分けて分村したとある。

元禄一三年一〇月、山論の絶えなかった伊豆山権現領との境争論は国境争いに及び、幕府は、東は藤木川下流のもん川、西は役行者えんのぎようじやを境とし、川南を権現領、川北を小田原藩領とする裁定を下し(「伊豆山権現領と小田原領の境論裁許状写」湯河原町蔵)、かつての境界の日金ひがね(十国峠)から「鳴沢・石引道」に含まれる小名和泉いずみ(泉)稲村などは伊豆国に編入され、伊豆山権現領に属することになった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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