背負う(読み)ショウ

デジタル大辞泉 「背負う」の意味・読み・例文・類語

しょ・う〔しよふ〕【負う】

[動ワ五(ハ四)]《「せおう」の音変化》
背中に担ぐ。せおう。「荷物を―・って歩く」
厄介なこと、迷惑なことなどを引き受ける。「重大な責任を―・わされた」
(「しょってる」の形で用いて)思い上がる。うぬぼれる。「ハンサムだと思うなんて、―・ってるね」
[可能]しょえる
[類語](1担ぐ担う負う負ぶう背負う引っ担ぐ担ぎ上げる負んぶ肩車/(3自慢誇るうぬぼれるおのぼれる思い上がる誇らしい胸を張る肩身が広い鼻が高い鼻高高勝ち誇る驕る威張る威張り散らす付け上がる高ぶる反り返る振り回す鼻にかける増長慢心自画自賛誇示おご誇り驕傲きょうごう矜持倨傲きょごう自負自負心自賛自嘆自任自得天狗うぬぼれプライド高慢自尊自尊心気位きぐらい得意思い上がり唯我独尊手前味噌我褒め身褒めのぼせるのぼせ上がる

せ‐お・う〔‐おふ〕【背負う】

[動ワ五(ハ四)]
背中にのせる。しょう。「リュックサックを―・う」「子供を―・う」
負担になることや重い責任のあることを引き受ける。しょう。「やっかいな問題を―・わされる」「一家の生活を―・って立つ」
あるものが背後になるようなところに位置する。背にする。
「山を―・っている、藁屋根の茶店」〈芥川トロッコ
[用法]
[類語]負ぶう担ぐ担う負う背負しょ引っ担ぐ担ぎ上げる負んぶ肩車

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「背負う」の意味・読み・例文・類語

せ‐お・う‥おふ【背負】

  1. 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙
  2. 背中にのせる。背中に負う。しょう。
    1. [初出の実例]「粮料せをうて奥州へ落ちまどひし小冠者が事か」(出典:平家物語(13C前)一一)
    2. 「かみこ壱つ、合羽やうの物、硯、筆、かみ、薬等、昼笥(ひるげ)なんど物に包て、後に背負たれば」(出典:俳諧・笈の小文(1690‐91頃))
  3. 不利な条件の物事を引き受ける。責任などをひっかぶる。不本意なことがらを受け入れる。しょう。
    1. [初出の実例]「自の罪は各々せをいておはしますべき也」(出典:却癈忘記(1235)上)
    2. 「新富座の債務を背負って窮境のどん底に落ちてゐた」(出典:読書放浪(1933)〈内田魯庵〉銀座と築地の憶出)
  4. あるものが背後になるような位置に場所を占める。
    1. [初出の実例]「畑の中に点々と碁布した民家は、きまったやうに森を背負って西北の風を防いで居る」(出典:写生紀行(1922)〈寺田寅彦〉)

しょ・うしょふ【背負】

  1. 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙 ( 「せおう」の変化した語 )
  2. 人が物を背にのせてささえ持つ。
    1. [初出の実例]「阿仏房にひつをしをわせ夜中に度々御わたりありし事」(出典:日蓮遺文‐千日尼御前御返事(1278))
    2. 「唐桟の小風呂敷を背負(ショッ)てかたへかけた手拭」(出典:洒落本・船頭深話(1802)一)
  3. 困難な物事、重大な責任、迷惑な仕事などを引き受ける。負担する。しょいこむ。
    1. [初出の実例]「おちゃぴいとおてんばをネ、一人で背負(ショッ)てをります」(出典:滑稽本浮世風呂(1809‐13)三)
  4. ( 「しょっている」「しょってる」の形で自動詞的に用い ) 自分を実際以上にすぐれていると思い上がる。うぬぼれる。〔アルス新語辞典(1930)〕
    1. [初出の実例]「男前だと思って、本当にしょってゐるわ」(出典:競馬(1946)〈織田作之助〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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