寄付講座(読み)きふこうざ

大学事典 「寄付講座」の解説

寄付講座
きふこうざ

教育研究のための経費として用途が詳細に指定された寄付金により大学内に設置される組織公用文では「寄附講座」と記す。寄付された資金により,一定期間に限って講座が設置され,そこで教育研究を行う教員人件費などが措置されることが一般的である。寄付者が企業の場合,産学連携一環として位置付けることも可能である。寄付金と寄付講座の違いは,「奨学寄付金が教育・研究活動への資金提供で終わるのに対し,寄付講座は実際の講座という活動組織を設置するところまで寄付者が関与指示できる」という,寄付者が大学に関与する程度の差にある(『国立大学法人経営ハンドブック3』国立大学財務・経営センター,2008年)。ただし,寄付金はそもそも篤志に基づくものであり,寄付を受ける大学は公共性を有する機関である。ゆえに寄付講座の設置にあたっては,たとえばその教育研究活動が寄付者への便宜供与にならないようにするなど倫理的な配慮が求められる。
著者: 日下田岳史

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android