富松城(読み)とまつじょう

日本の城がわかる事典 「富松城」の解説

とまつじょう【富松城】

兵庫県尼崎市富松町にあった平城(ひらじろ)。戦国時代に摂津地域の戦乱の舞台の一つとなった城。富松城は室町時代から戦国時代にかけての城館で、中世式の土塁、堀をもつ城郭遺構が残っている。1507年(永正4)から始まった室町幕府管領細川家の家督抗争に端を発した戦乱が尼崎地域に及ぶと、富松城は尼崎城伊丹城のほぼ中間地点に位置しているため、戦乱の舞台の一つとなった。その後、細川氏と家臣三好氏の抗争、織田信長の摂津侵攻を経て、廃城となったのは天正年間(1573~92年)とされる。発掘調査で、土塁の内側(東側)に大規模な堀が見つかり、富松城は土塁と二重の堀を備え、東西150m以上、南北200m以上の規模の城であったと推定されている。阪急電車神戸本線武庫之荘駅からバス宮ノ北行・武庫営業所行・JR尼崎駅行、富松城跡下車すぐ。または阪急電車神戸本線塚口駅から徒歩20分。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報

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