寒冷昇圧試験

内科学 第10版 「寒冷昇圧試験」の解説

寒冷昇圧試験(自律神経系の機能検査法)

(5)寒冷昇圧試験
 一側手を4の氷水中に1分間浸し,反応性の血圧上昇をみる.正常者では収縮期で20 mmHg,拡張期で10~20 mmHgの血圧上昇がみられる.交感神経遠心系の障害が存在するときは昇圧がみられない.[平田幸一]
■文献
Longo D, Fauci A, et al eds: Harrison’s Principles of Internal Medicine, 18th ed, McGraw-Hill, New York, 2011.
Low PA, Benarroch EE, eds: Clinical Autonomic Disorders. 3rd ed, Lippincott Williams and Wilkins, Philadelphia, 2008.
日本自律神経学会編:自律神経機能検査法,第4版,文光堂,東京,2007.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「寒冷昇圧試験」の意味・わかりやすい解説

寒冷昇圧試験
かんれいしょうあつしけん
cold pressure test by Hines-Brown

体の一部を寒冷にさらすと,常に血圧が上昇する現象を応用して,自律神経機能が正常かどうかを検査する方法。アメリカの内科医 E.ハインズ (1906~) と G.ブラウン (1885~1935) によって開発された。まず被験者を 30~60分安静にして血圧を安定させたのち,片側の手を4℃の水中に手首までつけ,反対側の腕で 15秒ごとに血圧をはかる。最高血圧の上昇が 22mmHg以上の場合は異常。1分を経過したら水中から手を出して,以後2分ごとに血圧を測定して,安静時の血圧値が戻るまで続ける。正常な血圧であれば2分以内に元に戻るが,本態性高血圧症 (→高血圧症 ) などがある場合には時間が長引く。

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