日本歴史地名大系 「寒風山」の解説
寒風山
かんぷうざん
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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秋田県西部,男鹿半島東部の海岸段丘上に噴出した火山。標高355m。数回の火山活動による噴出で,新旧数個の火口や火口原が形成された。岩質は複輝石安山岩を主とし,一部,カンラン石を含む。噴出年代は,縄文後期~弥生時代と推定される。山麓に若干の杉林があるほかは,全山芝生におおわれ,女性的景観が特色。山頂の東北一を誇る回転式大展望台からは,東に大潟村や八郎潟調整池を隔てて太平山地,西に本山(ほんざん)火山群,北ははるかに秋田・青森県境の白神山地,南は海上かなたに鳥海山を望み,雄大な眺望で,男鹿国定公園の一部を構成している。中世には山頂に薬師如来がまつられ,本山,真山とともに信仰の対象となった。延長約10kmの有料道路(1986年無料開放)が完工し,山麓のゴルフ場も整い,冬季には山腹の斜面がスキー場となる。山麓で採掘される寒風石は墓石・土木建築材として知られる。
執筆者:北条 寿
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秋田県中西部、男鹿半島(おがはんとう)の東部にある二重式火山。標高355メートル。山容はコニートロイデ型、全山芝生に覆われている。男鹿国定公園に含まれる。最初の火山活動は60メートルの段丘を貫いて溶岩台地を形成、次の活動で塔の峰(展望台のある所)や、蛇越長根(じゃこしながね)のドームが形成された。1810年(文化7)この付近を震源とする群発地震の記録があり、死者61名に上ったという。山頂北西側には経ノ町(きょうのまち)とよばれる直径約600メートルの第一次噴火口がみられ、南西方には古玉ノ池(ふるたまのいけ)といわれる新火口が鉢状に残っている。
[宮崎禮次郎]
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