専売事業(読み)せんばいじぎょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「専売事業」の意味・わかりやすい解説

専売事業
せんばいじぎょう

国が特定財物の販売を独占する事業をさし,日本においては過去にたばこ専売,塩専売,アルコール専売があった。さらに事業とはいいがたい面があるが,国に輸出入売買専売権が留保されている物にアヘンがある (あへん法) 。このうち,国の収入を得る目的をもってなされたのは,たばこ専売と塩専売で,国は専売権のみを有し,事業の実施は専売公社にゆだねられていた。しかし,1985年4月公社の民営化によって,たばこは専売事業ではなくなり,同年4月1日から日本たばこ産業株式会社が設立され,たばこ税により国の収入をはかることになった。また塩に関しては 1997年4月から専売制度が廃止され,製造,輸入,販売は登録または届出制になり,供給や備蓄に関しては財務大臣の指定を受けた財団法人の塩事業センターが行なうことになった。なお,アヘンの輸出入,国内売買は厚生労働省が所管している。

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