数直線上の一つの区間で定義された関数y=f(x)があって,この区間に属するxに対して有限な極限値が存在するとき,関数fはxにおいて微分可能であるといい,この極限値をxにおける関数fの微分係数(または微係数,微分商)といって,などの記号で表す。関数f(x)が区間の各点で微分可能なとき,f′(x)の値をxの関数と考えることができる。この関数f′(x)をf(x)の導関数といい,fからf′を求めることを関数fを微分するという。関数f′がまた微分可能なとき,その導関数をf″(x)で表し,これをもとの関数fの第二次導関数という。以下同様にして,fがn回微分可能なとき,fをn回微分して得られる関数を第n次導関数といい,記号などで表す。
執筆者:伊藤 清三
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…これらの値を調べるだけでも関数f(x)のだいたいのようすはわかるが,もっとくわしくf(x)の状態を知るためには,例えばx=aのときの〈瞬間的変化〉の状態を調べる必要が起こる。この瞬間的な変化の考えを数学的に厳密に定式化すると,すぐ後に説明するところの微分係数,導関数の概念に到達する。与えられた関数の微分係数や導関数を求める演算を微分法differential calculusという。…
※「導関数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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