小大君(読み)こだいのきみ

精選版 日本国語大辞典 「小大君」の意味・読み・例文・類語

こだい‐の‐きみ【小大君】

平安中期の女流歌人三十六歌仙一人三条天皇皇太子だった時の女蔵人(にょくろうど)。女房名は左近藤原朝光恋愛関係にあった。家集に「小大君集」。春宮左近。こおおぎみ。生没年未詳。

こおお‐ぎみ こおほ‥【小大君】

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デジタル大辞泉 「小大君」の意味・読み・例文・類語

こだい‐の‐きみ【小大君】

平安中期の女流歌人。三十六歌仙の一人。三条院女蔵人にょくろうど左近の別称がある。生没年未詳。家集「小大君集」。こおおぎみ。

こおお‐ぎみ〔こおほ‐〕【小大君】

こだいのきみ(小大君)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小大君」の意味・わかりやすい解説

小大君
こおおぎみ

生没年不詳。平安中期の女流歌人。「こおおいぎみ」「こだいのきみ」とも読む。三十六歌仙の一人。重明(しげあきら)親王の娘ともいうが(陽明文庫本『後拾遺和歌集』勘物(かんもつ))、出自もさだかではない。三条院女蔵人左近(さんじょういんにょくろうどさこん)ともよばれ、986年(寛和2)三条院立坊(りつぼう)後に女蔵人となったと思われる(三十六人歌仙伝)。活動期は一条(いちじょう)朝(986~1011)で、平兼盛(かねもり)、藤原高光(たかみつ)、藤原朝光(あさみつ)、藤原道信(みちのぶ)、藤原実方(さねかた)、藤原為頼(ためより)、藤原公任(きんとう)などの著名歌人と交友した。三十六人集の一つ『小大君集』があり、『拾遺和歌集』以下の勅撰(ちょくせん)集に20首ばかり入集し、『前十五番歌合(うたあわせ)』や『三十六人撰』に撰収され、『後拾遺和歌集』の巻頭歌人に抜擢(ばってき)されるなど、評価は高かった。

 岩橋の夜の契りも絶えぬべし明くるわびしき葛城(かづらき)の神
[小町谷照彦]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小大君」の解説

小大君 こおおぎみ

?-? 平安時代中期の歌人。
三十六歌仙のひとり。三条天皇の東宮時代(986-1011)に女蔵人(にょくろうど)としてつかえる。藤原朝光(あさみつ),馬内侍(うまのないし)らの歌人としたしく,朝光とは恋愛関係にあった。歌は「拾遺和歌集」などの勅撰(ちょくせん)集におさめられている。通称は東宮左近,三条院女蔵人左近。「こおおいぎみ」「こだいのきみ」ともよむ。家集に「小大君集」。

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