小川庄(読み)こがわのしよう

日本歴史地名大系 「小川庄」の解説

小川庄
こがわのしよう

現東蒲原郡のほぼ全域と新発田しばた市・五泉市など周辺市町村の一部を包含した庄園。庄名の読み方について「こがわ」「おがわ」の両説があり、また表記も「小川」「小河」が両用されている。「異本塔寺長帳」承安二年(一一七二)条に「越後国守城四郎平長茂領地内蒲原郡小川庄七十五村ヲ会津恵日寺住僧乗丹坊寄附、是長茂伯父也」とあり、城長茂が小川庄を会津恵日えにち(現福島県耶麻郡磐梯町)乗丹坊に寄進した。同書は後世の編纂物であるが、城氏の下越地方における勢威や、「吾妻鏡」寿永元年(一一八二)九月二八日条にみえる城長茂が「越後国小河庄赤谷」(現新発田市上赤谷)城郭を構えたとの記事、および当庄が越後国蒲原郡でありながら長く会津の領主の支配下にあった経緯などから、小川庄をめぐる越後の城氏と会津とのつながりがうかがえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android