小幡小平次(読み)コバタコヘイジ

デジタル大辞泉 「小幡小平次」の意味・読み・例文・類語

こばたこへいじ【小幡小平次】

歌舞伎の一系統で、山東京伝読本復讐奇談安積沼ふくしゅうきだんあさかのぬま」を脚色したもの。妻の情夫に殺された旅役者小幡小平次のたたりを主題とした怪談物で、4世鶴屋南北河竹黙阿弥らの作がある。こはだこへいじ。

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精選版 日本国語大辞典 「小幡小平次」の意味・読み・例文・類語

こばた‐こへいじ【小幡小平次】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「こはだこへいじ」とも ) 妻の情夫に殺された旅役者小幡小平次の怪談を扱った歌舞伎脚本の総称。山東京伝作の「復讐奇談安積沼(ふくしゅうきだんあさかのぬま)」の影響を受ける。「彩入御伽草(いろえいりおとぎぞうし)」(四世鶴屋南北作)、「怪談木幡小平次」(河竹黙阿彌作)、「小幡怪異雨古沼(こはだのかいいあめもふるぬま)」(河竹黙阿彌作)など。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小幡小平次」の解説

小幡小平次 こはだ-こへいじ

山東京伝の読み本「復讐奇談安積沼(ふくしゅうきだんあさかのぬま)」の主人公
江戸の役者。後妻のお塚と密通した鼓(つづみ)打ちの安達左九郎に安積沼で殺され,怨霊(おんりょう)となって二人をとり殺す。のちこの後日談合巻「安積沼後日仇打(あだうち)」がかかれ,講談,歌舞伎などで「小平次物」という一系統を生んだ。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「小幡小平次」の解説

小幡小平次
(通称)
こはだこへいじ

歌舞伎・浄瑠璃外題
元の外題
彩入御伽草 など
初演
文化5.閏6(江戸・市村座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の小幡小平次の言及

【生きてゐる小平次】より

…1925年(大正14)6月東京新橋演舞場初演。配役は小幡小平次を13世守田勘弥,那古の太九郎を6世尾上菊五郎,太九郎妻おちかを市川鬼丸(後の3世尾上多賀之丞)。山東京伝の合巻《復讐奇談安積沼(ふくしゆうきだんあさかぬま)》,4世鶴屋南北の《彩入御伽艸(いろえいりおとぎぞうし)》,黙阿弥の《怪談小幡小平次(かいだんこはだこへいじ)》などに材を仰ぐが,なお本作品が間接的影響を受けたものとして谷崎潤一郎作《お国と五平》(1922初演)が考えられる。…

※「小幡小平次」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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