小木曽猪兵衛(読み)おぎそいへえ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小木曽猪兵衛」の意味・わかりやすい解説

小木曽猪兵衛
おぎそいへえ
(1815―1889)

信濃(しなの)国(長野県)伊那(いな)南山一揆(いっき)の指導者。下伊那郡今田村の庄屋(しょうや)で、晩年には神主にもなる。幼名は亀弥、元亀と称す。村の陽明学者松尾享庵(こうあん)に学を受け、師匠代役も務めた。1855~59年(安政2~6)の南山一揆は、金納石代の引下げを中心に、諸種の労役に対する下げ金要求を掲げ、巧みな戦法と固い団結で成功を収めたものであるが、その首謀立案、指導者が猪兵衛であった。彼は各地の一揆事例を研究し、佐倉惣五郎(そうごろう)を祀(まつ)るなど、優れた指導をした。

[横山十四男]

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