小松引(読み)こまつひき

精選版 日本国語大辞典 「小松引」の意味・読み・例文・類語

こまつ‐ひき【小松引】

〘名〙 平安朝の貴族たちが、正月初めの子(ね)の日に野山に出て、根長の小松を引き抜いて延命を願った行事。《季・新年》
※無言抄(1598)下「春〈略〉子日 誰もしれる事なれども小松引も春也」
[補注]行事としては、古くから行なわれていたが、「こまつひき」という言い方が現われるのは、中世以降。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小松引」の意味・わかりやすい解説

小松引
こまつひき

子 (ね) の日の遊びともいわれ,奈良・平安時代,正月初めの子の日に,野山に出て小松を引き合った遊び。この日は人日 (じんじつ。1月7日) と同様若菜を食するならわしがあり,この松も芽を食用とした。子の日に野山へ出る行事は唐から伝えられたもので,陰陽の静気を得,煩悩 (ぼんのう) を除く術とされ,正月行事一種として行われた。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「小松引」の解説

小松引
〔常磐津〕
こまつびき

歌舞伎浄瑠璃外題
作者
桜田治助(1代) ほか
初演
寛政3.1(江戸中村座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

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