小間(読み)コマ

デジタル大辞泉 「小間」の意味・読み・例文・類語

こ‐ま【小間】

小さい部屋。
叔父は其奥まった―に閉籠って」〈秋声足迹
茶道で、四畳半以下の狭い茶室
建築で、垂木たるき根太ねだなどの配列間隔。一般に、内法うちのりの幅。
和船舳先へさきに最も近い部分。
公役小間くやくこま
明治初年、1か月1円の土地貸し料が得られる東京府内の区域
少しの間。あいま。
「世の中にまれなる色の高麗錦こまにしきいかなる―にいもをあひ見ん」〈新撰六帖・五〉

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精選版 日本国語大辞典 「小間」の意味・読み・例文・類語

こ‐ま【小間】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 少しの間。ひま。あいま。
    1. [初出の実例]「ともすれば涙をながす君はなほ身をすみがまかこまもたえせぬ」(出典:多武峰少将物語(10C中))
  3. 小さい部屋。また、狭い部屋。
    1. [初出の実例]「六畳ばかりの小間がありまして」(出典:真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉七三)
  4. 家屋で、垂木(たるき)と垂木の間や、根太と根太との間などをいう。
  5. 瓦ぶきの屋根で、各瓦の表面に現われた部分の幅。
  6. 茶道で、四畳半以下の茶室をいう。
  7. 和船の船首の間。近世の和船は荷船、軍船を問わず船首は鋭くとがり、淦間(あかま)、胴の間のような広い間がとれないところからいう。荷船では貫木と二番船梁との間、いわゆる五尺を立てる所の間で、軍船では貫木と浪関(なみせき)(=荷船の二番船梁にあたる)とのあいだの間をいう。〔和漢船用集(1766)〕
  8. 江戸時代、土地の広狭を標準として、市民に課した公役の徴収単位。屋敷面積の一小間は平均二〇坪ぐらい。公役小間(くやくこま)
  9. 明治初年、東京府内で土地を貸して、一か月に一円の貸料を得られる区域。
  10. こま(細)

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普及版 字通 「小間」の読み・字形・画数・意味

【小間】しようかん

小閑

字通「小」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の小間の言及

【茶室】より

…その実例を妙喜庵の待庵(たいあん)にみることができ,それは天正10年(1582)ころに造立されたものと推測される。待庵の建築は丸太柱に土壁という,鄙(ひな)びた草庵の表現に徹したもので,それまで〈道具ナシノ侘数寄〉のものとされていた小間,それも二畳という極限の広さのなかに,わびの建築的表現を凝縮させたものであった。そしてさらに利休は,四畳半をも〈名物〉所持の人のためのものから〈わび数寄〉のための座敷へと改造をくふうしていった。…

【狭間】より

…城内から矢や弾丸を射出すための穴で,塀や櫓(やぐら)の壁に小さく開口する。正しくは〈さま〉と読み,小間,矢間,矢窓ともいう。矢狭間(やざま)は縦に細長く,鉄砲狭間は丸,三角,四角のほかさまざまな多角形があった。…

※「小間」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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