改訂新版 世界大百科事典 「尤度」の意味・わかりやすい解説 尤度 (ゆうど)likelihood 確率密度関数において確率変数に観測値を代入したものをいう。つまり,確率密度を観測値で評価した値である。また,これを未知母数の関数とみるとき,とくに尤度関数という。尤度関数の自然対数は対数尤度と呼ぶ。観測値とその確率分布が与えられたとき,尤度あるいは対数尤度を最大にする母数の値は,母数の一つの自然な推定量を与える。これは最尤推定量と呼ばれ,標本サイズが大きくなると母数の真値に漸近的に一致するとか,漸近的に正規分布に従うなど,いろいろ好ましい漸近的性質をもつ。執筆者:広津 千尋 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報