尻声(読み)シリゴエ

デジタル大辞泉 「尻声」の意味・読み・例文・類語

しり‐ごえ〔‐ごゑ〕【尻声】

声の終わりの部分
「笑いの―が憂愁うれいの響きをのこして去る光景ありさまの」〈露伴五重塔
あとを引くような声。
「物うりの―高く名乗りすて」〈寅彦・映画時代〉
名前などの下に付ける言葉
「いつとなく我になって、様といふ―もなく」〈浮・一代男・二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「尻声」の意味・読み・例文・類語

しり‐ごえ ‥ごゑ【尻声】

〘名〙
① 長くあとに引く声。声の終わりの方。ことばじり。
※俳諧・鷹筑波(1638)三「尾もなくてしり声長きうつら哉〈貞継〉」
※浄瑠璃・義経千本桜(1747)四「我親鼓に打向、かはす詞のしり声も涙ながらの暇乞
② (尻に付ける語の意) 氏名などの下に付けることば。接尾語の類。
浮世草子好色一代男(1682)二「万手代にまかすれば、いつとなく、我になって、様といふ尻声(シリコヱ)もなく」

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