尾上菊之丞(読み)おのえきくのじょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「尾上菊之丞」の意味・わかりやすい解説

尾上菊之丞
おのえきくのじょう

日本舞踊尾上流家元。

[如月青子]

初世

(1909―64)本名羽鳥友吉。6世尾上菊五郎門下の歌舞伎(かぶき)俳優尾上琴次郎(ことじろう)としてスタート。舞踊に優れていたため1922年(大正11)7世藤間勘十郎に入門。藤間勘治郎から2世藤間亀三郎(かめさぶろう)の名を経て、48年(昭和23)6世菊五郎の推挙で尾上流2世家元初世菊之丞となる。確実な技術、気品を備えた芸で、振付師としても活躍。『二人椀久(ににんわんきゅう)』『傾城道成寺(けいせいどうじょうじ)』などが有名。第二次世界大戦後、欧米公演を行った。また花街舞踊の振付け、指導にもあたった。64年ハワイで急逝。

[如月青子]

2世

(1943― )初世の甥(おい)。1965年に3世家元を襲名。86年に発足させた「冬夏会」で、多くの新鮮な作品を発表し続けており、『入鹿(いるか)』『梟(ふくろう)祈願』などの佳作がある。

[如月青子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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