居倉遺跡(読み)いぐらいせき

日本歴史地名大系 「居倉遺跡」の解説

居倉遺跡
いぐらいせき

[現在地名]島田市野田 居倉

じよう山東裾に沿って流れる大津谷おおつや川中流の河床とその周辺に広がる遺跡。志太しだ郡衙廃絶直後の一〇世紀初頭に始まり鎌倉時代から江戸時代まで継続的に営まれていた。とくに現在の水田面下約三メートルの包含層から、平安時代の灰釉陶器が大量に出土し、そのなかに墨書土器一千一四八点が含まれている。墨書は「尺」が三五九点、「馬」一一点、「珍」八点などが多い。ほかに緑釉陶器・風字二面硯・風字硯・円面硯・陶鈴・題籤軸などとともに「□大津□」「源□佃領代米五」などと書かれた木簡四点、また神功開宝・延喜通宝などの銅銭が出土している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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